◾️マニ教
〈開祖〉
・マニ(216〜276/277年頃)。
・24歳で「双子の天使(シジゴス)」から啓示を受け創始。(シジゴス=マニの守護霊的存在)
・マニは自らを「最後の預言者」と位置づけた。
〈成立〉
・3世紀中頃
・メソポタミア(ササン朝ペルシア領内。現在のイラク周辺)
〈教義〉
・徹底した二元論(善悪は同一神から出ていない)
・光(善・精神・魂)vs闇(悪・物質・肉体)
・物質世界=光と闇の混合状態。
・肉体は闇側に属する。
・魂は光と闇の混合状態。
・真の自己=光界由来の霊的光(捕捉された光の原理)(光界由来の光粒子の表れ)
・救済=魂の光を解放し、光界へ帰還。
・「物質=完全悪」というより「闇に由来する構成領域」。
・闇は神が創造した存在ではなく、光と並立する原初的原理。
〈影響を受けた宗教〉
・ゾロアスター教(善悪二元論)
・キリスト教(イエスを預言者とする)
・仏教(禁欲・輪廻要素・僧団構造)
・グノーシス主義(霊的知識による救済)
→ マニは自らを「預言者の印璽」と主張。ゾロアスター・釈迦・イエスの後継者を名乗る。
〈戒律・生活様式〉
・エレクト(選民):厳格禁欲、菜食主義、性行為禁止、所有制限、白衣、頻繁な祈り、農業回避(植物にも光が宿るため。光粒子は植物に多く宿ると考えられた)
・アウディトール(聴聞者):世俗生活を維持、エレクトを支援、比較的緩やかな戒律
〈宇宙観(三際説)〉
・過去:光と闇は完全分離していた。
・現在:闇が光界に侵攻し、光界が防衛のために応戦。その結果、光と闇が混合状態となり、物質世界が形成された。
・未来:光の回収完了=再分離。物質世界は終焉する。(光の「勝利」というより「混合の解消」が近い。)
〈死後観〉
・死は「裁き」というより、光と闇の分離過程。
・魂に含まれる光粒子は上昇し、光界へ向かう(太陽・月を経由する回収経路が語られる)。ただし、闇との結合が強く十分に分離されていない光粒子は光界に到達できず、物質世界(混合世界)に留まり再び関与する(輪廻的構造)。
・闇に属する要素(物質的・身体的部分)は物質世界(混合世界)の構成要素として残る。
・エレクト(選民)は死後、比較的速やかに光界へ帰還できるとされる。
〈その他の特徴〉
・絵画による布教(宇宙図「アルダハング」など)
・若き日のアウグスティヌスが帰依(約9年間)。
・中国・中央アジアまで広がった世界宗教。
・中国では「明教」(みんきょう)と呼ばれた。
・一時は 「第四の宗教」と呼ばれた。
編集:26/02/26
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